후리가나로 읽는 일본 고전
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めいじんでん
名人伝
中島 敦의 名人伝(めいじんでん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 5,782자 · 12화면
秘かにその機会を窺っている中に、一日たまたま郊野において、向うからただ一人歩み来る飛衛に出遇った。とっさに意を決した紀昌が矢を取って狙いをつければ、その気配を察して飛衛もまた弓を執って相応ずる。二人互いに射れば、矢はその度に中道にして相当り、共に地に墜ちた。地に落ちた矢が軽塵をも揚げなかったのは、両人の技がいずれも神に入っていたからであろう。さて、飛衛の矢が尽きた時、紀昌の方はなお一矢を余していた。得たりと勢込んで紀昌がその矢を放てば、飛衛はとっさに、傍なる野茨の枝を折り取り、その棘の先端をもってハッシと鏃を叩き落した。ついに非望の遂げられないことを悟った紀昌の心に、成功したならば決して生じなかったに違いない道義的慚愧の念が、この時忽焉として湧起った。飛衛の方では、また、危機を脱し得た安堵と己が伎倆についての満足とが、敵に対する憎しみをすっかり忘れさせた。二人は互いに駈寄ると、野原の真中に相抱いて、しばし美しい師弟愛の涙にかきくれた。(こうした事を今日の道義観をもって見るのは当らない。美食家の斉の桓公が己のいまだ味わったことのない珍味を求めた時、厨宰の易牙は己が息子を蒸焼にしてこれをすすめた。