후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
めいじんじごく
名人地獄
国枝 史郎
国枝 史郎의 名人地獄(めいじんじごく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 149,286자 · 301화면
弟と別れた甚三が、空馬を曳いて帰りかけた時、
「馬子!」とうしろから呼ぶ者があった。振り返って見ると旅の武士が、編笠を傾けて立っていた。けんかたばみの紋服に、浮き織りの野袴を裾短かに穿き、金銀ちりばめた大小を、そりだかに差した人品は、旗本衆の遊山旅か、千石以上の若殿の、気随の微行とも想われたが、それにしてはお供がない。
病的に美しい旅の武士
編笠をもれた頤の色が、透明るようにあお白く、時々見える唇の色が、べにを注したように紅いのが気味悪いまでに美しく、野苺に捲きついた青大将だと、こう形容をしたところで、さらに誇張とは思われない。開いたばかりの関所の門を、たった今潜って来たところであろう。
「戻り馬であろう。乗ってやる」こういった声は陰気であった。
「へい有難う存じます」甚三は実は今日一日は、稼業をしたくはなかったのであるが、侍客に呼び止められて見れば、断ることも出来なかった。「どうぞお召しくださいまし」
シャン、シャン、シャンと鈴を響かせ、馬は元気よく歩き出した。どう、どう、どう、と馬をいたわり、甚三は峠を下って行った。手綱は曳いても心の中では、弟のことを思っていた。