후리가나로 읽는 일본 고전
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ちじょう
地上
島田 清次郎
島田 清次郎의 地上(ちじょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 175,250자 · 350화면
菊龍も富江も深い溜息をついて、そして仕方なさそうにのぼって行った。茂子は容易に下りて来なかった。女将は思い出して、店に身体が悪くて寝ている小妻を、「小妻さん、小妻さん」と呼んだ。
「はあい」弱々しい返事だ。
「ちょっとここへ来ておくれ」
「はあい」
小妻はまだ昼からの寝巻姿でひどく蒼ざめて、凹んだ眼縁に暗い蔭を見せながら、腰をかがめるようにして出て来た。
「身体はどうだい」
「――」あまりよくないと言おうとしたが、小妻は女将の眼色から何を言おうとしているかを推察すると、「大分いいようです」と言ってしまった。取り返しのつかないことをしてしまったような気がした。(実際それは取り返しのつかないことであったことは後に知られる。)女将はささやくように幾度もくりかえした事情を細々と語りきかした。そして観世縒を、もう二本になった、そのどっちかには三人の男を割りあてられる、恐ろしい運命の観世縒を差し出した。小妻はどうしてもぬきとる気になれなかった。彼女はさしうつむいていた。恐ろしい感動の伴った争闘が胸中に戦っていた。ああ弱い心! 彼女はとうとう手をさし出してその一本の観世縒を抜きとった。