후리가나로 읽는 일본 고전
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きょうかいなきさべつ
境界なき差別
丘 浅次郎
丘 浅次郎의 境界なき差別(きょうかいなきさべつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 8,992자 · 18화면
かく境界の定められぬのは、空間に対してのみではなく、時間においてもそのとおりで、人の生命のごときも通常何年何月何日の何時何分に生れ、何年何月何日の何時何分に死んだというて、生れた時も、死んだ時も、おのおの明らかな一点のごとくにいうてはいるが、実際生れるにあたっては、生れ始めてから生れ終るまでの移り行きがあり、死ぬにあたっても、死に始めてから死に終るまでの移り行きがあるから、けっして時の一点を指して、これが生れた時、これが死んだ時と指し示すわけにはゆかぬ。電灯の撮を捻れば、その途端に光が現われ、またこれを捻れば、その途端に光が消えて、光っていた時の始め終りには確乎たる境界があるごとくに感ずるが、これもよく考えてみると、境界はない。電球内の細い線が微かに光り始めてから、十分の光を発するまでには、順々の移り行きがあり、光がわずかに弱り始めてから完全に消え終るまでの間にも順々の移り行きがあるゆえ、仮に七十年の人間の寿命を一日に縮め、一秒に対する時の長さの感じを今日の人間が一日に対する長さの感じと同様にしたと想像すれば、電灯が付いて明るくなるときにはあたかも夜が明けて朝となるのと同様な移り行きを感ずるであろう。