일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

ja-reading.com

후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.

なつのはな

夏の花・心願の国

原 民喜

原 民喜의 夏の花・心願の国(なつのはな)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 152,816자 · 310화면

아오조라 문고

「もう広島に行ったら苦役に服するつもりなのです」と、彼は東京からやって来た義弟に笑いながら話した。彼は郷里の街が今、頭上に迫って来る破滅から免れるだろうとは想像しなかった。そこへ行けば更にもっと、きびしい鞭や苛酷な運命が待ち構えているかもしれない。だが、殆ど受刑者のような気持で、これからは生きているばかりなのだろうと思った。ある日、彼は国道の方から路を曲って、自分の家の見えるところを眺めた。叢の空地のむこうに小さな松並木があって、そこに四五軒の家が並んでいる。あの一軒の家のなかには、今もまだ病妻の寝床があって、そして絶えず彼の弱々しい生存を励まし支えていてくれるような気がするのだった。

引越の荷は少しずつ纏められていた。ある午後、彼は銀座の教文館の前で友人を待っていた。眼の前を通過する人の群は破滅の前の魔の影につつまれてフィルムのように流れて行く。彼にとって、この地上の営みが今では殆ど何のかかわりもないのと同じように、人々の一人一人もみな堪えがたい生の重荷を背負わされて、破滅のなかに追いつめられてゆくのだろうか。暗い悲しい堪えがたいものは、一人一人の歩みのなかに見えかくれしているようだった。