후리가나로 읽는 일본 고전
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なつのはな
夏の花・心願の国
原 民喜
原 民喜의 夏の花・心願の国(なつのはな)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 152,816자 · 310화면
紙屋町筋に一筋パラパラと爆弾が撒かれて行ったのだ。四月末日のことであった。
五月に入ると、近所の国民学校の講堂で毎晩、点呼の予習が行われていた。それを正三は知らなかったのであるが、漸くそれに気づいたのは、点呼前四日のことであった。その日から、彼も早目に夕食を了えては、そこへ出掛けて行った。その学校も今では既に兵舎に充てられていた。燈の薄暗い講堂の板の間には、相当年輩の一群と、ぐんと若い一組が入混っていた。血色のいい、若い教官はピンと身をそりかえらすような姿勢で、ピカピカの長靴の脛はゴムのように弾んでいた。
「みんなが、こうして予習に来ているのを、君だけ気づかなかったのか」
はじめ教官は穏かに正三に訊ね、正三はぼそぼそと弁解した。
「声が小さい!」
突然、教官は、吃驚するような声で呶鳴った。
……そのうち、正三もここでは皆がみんな蛮声の出し合いをしていることに気づいた。彼も首を振るい、自棄くそに出来るかぎりの声を絞りだそうとした。疲れて家に戻ると、怒号の調子が身裡に渦巻いた。……教官は若い一組を集めて、一人一人に点呼の練習をしていた。教官の問に対して、青年たちは元気よく答え、練習は順調に進んでいた。