일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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なつのはな

夏の花・心願の国

原 民喜

原 民喜의 夏の花・心願の国(なつのはな)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 152,816자 · 310화면

아오조라 문고

もののかたちがはっきり見えはじめたころ漸く空襲解除となった。

……その平静に返った街を、ひどく興奮しながら、順一は大急ぎで歩いていた。彼は五日市町で一睡もしなかったし、海を隔てて向うにあかあかと燃える火焔を夜どおし眺めたのだった。うかうかしてはいられない。火はもう踵に燃えついて来たのだ、――そう呟きながら、一刻も早く自宅に駈けつけようとした。電車はその朝も容易にやって来ず、乗客はみんな茫とした顔つきであった。順一が事務室に現れたのは、朝の陽も大分高くなっていた頃であったが、ここにも茫とした顔つきの睡そうな人々ばかりと出逢った。

「うかうかしている時ではない。早速、工場は疎開させる」

順一は清二の顔を見ると、すぐにそう宣告した。ミシンの取りはずし、荷馬車の下附を県庁へ申請すること、家財の再整理。――順一にはまた急な用件が山積した。相談相手の清二は、しかし、末節に疑義を挿むばかりで、一向てきぱきしたところがなかった。順一はピシピシと鞭を振いたいおもいに燃立つのだった。

その翌々日、こんどは広島の大空襲だという噂がパッと拡った。上田が夕刻、糧秣廠からの警告を順一に伝えると、順一は妹を急かして夕食を早目にすまし、正三と康子を顧みて云った。