일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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なつのはな

夏の花・心願の国

原 民喜

原 民喜의 夏の花・心願の国(なつのはな)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 152,816자 · 310화면

아오조라 문고

剥ぎとられていない世界は生活意欲に充満している。人間のいとなみ、日ごとのいとなみ、いとなみの存在、……それらは音と形に還元されていつも僕のなかを透明に横切る。それらは無限の速度で、静かに素直に、無限のかなたで、ひびきあい、むすびつき、流れてゆく、憧れのようにもっとも激しい憧れのように、祈りのように、もっとも切なる祈りのように。

それから、交叉点にあふれる夕の鎮魂歌……。僕はいつものように濠端を散歩して、静かな、かなしい物語を夢想している。静かな、かなしい物語は靴音のように僕を散歩させてゆく。それから僕はいつものように雑沓の交叉点に出ている。いつものように無数の人間がそわそわ動き廻っている。いつものようにそこには電車を待つ群衆が溢れている。彼等は帰って行くのだ。みんなそれぞれ帰ってゆくらしいのだ。一つの物語を持って。一つ一つ何か懐しいものを持って。僕は還るところを失った人間、剥ぎとられた世界の人間。だが僕は彼等のために祈ることだってできる。僕は祈る。(彼等の死が成長であることを。その愛が持続であることを。彼等が孤独ならぬことを。情欲が眩惑でなく、狂気であまり烈しからぬことを。