후리가나로 읽는 일본 고전
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なつのはな
夏の花・心願の国
原 民喜
原 民喜의 夏の花・心願の国(なつのはな)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 152,816자 · 310화면
すると、ある日その演出課のルームでは何か浮々と話が弾んでいた。フランスではじまったマキ匪団の抵抗が一しきり華やかな話題となっていたのだ。――彼はその映画会社の瀟洒な建物を出て、さびれた鋤道を歩いていると、日まわりの花が咲誇っていて、半裸体で遊んでいる子供の姿が目にとまる。まだ、日まわりの花はあって、子供もいる、と彼は目にとめて眺めた。都会の上に展がる夏空は嘘のように明るい光線だった。虚妄の世界は彼が歩いて行くあちこちにあった。黒い迷彩を施されてネオンの取除かれた劇場街の狭い路を人々はぞろぞろ歩いている。
「大変なことになるだろうね、今に……」
彼と一緒に歩いている友は低い声で呟いた。と、それは無限の嘆きと恐怖のこもった声となって彼の耳に残った。
混みあう階段や混濁したホームをくぐり抜けて、彼を乗せた電車が青々とした野づらに、出ると、窓から吹込んでくる風も吻と爽やかになる。だが、混濁した虚妄の世界は、やはり彼の脳裏にまつわりついていた。入社して彼に与えられた仕事は差当って書物を読み漁ることだけだった。が、遽か仕込みに集積される朧気な知識は焦点のない空白をさまよっていた。