후리가나로 읽는 일본 고전
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なつのそうれつ
夏の葬列
山川 方夫
山川 方夫의 夏の葬列(なつのそうれつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 60,161자 · 122화면
ぼくと同様、山口も一瞥しただけでぼくを黙殺した。黒い手編みの丸首のセーターが、薄っぺらな学生服の襟からはみ出し、むこうを向いた色白な秀才タイプの彼の首を、よけい繊弱に、かぼそく見させていた。ゲートルをつけていない彼の宮廷用ふうの細長い二本のズボンの下には、不釣り合いなほど巨大な、足枷をおもわせる赤い豚革の編上靴が、まるで彼を風に吹き飛ばされないための錘のようにならんでいた。
ぼくは、頑なに背を向けたままのその山口に、ある敵愾心をかんじた。彼に目もくれず、だからぼくも一人で壁に向かい、自分だけの慶早戦をはじめた。真向から吹きつけてくる青く透きとおった風を感じながら、耳のなかに、かつて通った神宮球場の歓声や選手たちの掛声をよみがえらせ、怒ったように力いっぱいぼくは投げつづけた。
彼を無視する強さを、ぼくは獲得しようとしていたのだ。山口は、だが、なにもいわず、そうかといってそのぼくを眺めるでもなく、散歩するでもなく降りて行くでもなく、ただじっと金網越しの下界を眺めつづけている。そしてぼくは、しだいにその彼の存在を忘れ、空想の慶早戦に熱中しだしていた。