후리가나로 읽는 일본 고전
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よるのくつ
夜の靴
横光 利一
横光 利一의 夜の靴(よるのくつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 107,056자 · 213화면
一年一度の最高潮に達した緊張にちがいない。実に美しい姿で、一ぷくの煙草を美味そうに夜気の中へ吐き流している若ものの姿も見えた。
十月――日
農家の竈にはどこのも少し新米が入った。これは炊き増えしないためでもあって、四人で一日二升五合で足りていた参右衛門の家では、新米になった今日から四升を少し超過して、まだ不足だとの事だ。
朝夕はうす寒く、火鉢に炭火が要るようになったが、この村には薪ばかりで炭がどこにもなく、消炭ばかりだ。
新米のみずみずしい重さ、しっとりと手に受けたときの湿り具合、蝋色のほの明るい光沢の底からぼっと曙がさして来る。たしかに新米のこの匂いには抒情がある。無限の歴史のうなりが波の音のように掌の上に乗りうつって来て、私は感傷的になるのだが。
「ああ、もう日本の米には生命力がなくなった。こん度の戦争は敗けだ。」
と、そんなに呟いた玄米研究家が一人あった。日華事変の戦争の最中に、そんな予言をして山中へ隠れてしまった人だ。私はいまその人のことをふと思い出した。人間の天才は二十五で、誰も天才としての生命力は消えてしまうものだといわれている。米にもこれに似た天才力はあるのかもしれない。