일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ゆめとじんせい

夢と人生

原 民喜

原 民喜의 夢と人生(ゆめとじんせい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 9,136자 · 19화면

아오조라 문고

そうか、しかし、とにかく家は残っていたのだったか。僕は自分に云いきかせて、その場所を立去った。僕は海岸の方へ出る国道や焼跡のバラックの路をじりじりした気分でひとり歩き廻っていた。空気のにおいや、どよめきや、過去と繋りのある無数の類型や比喩が僕のまわりを目まぐるしく追越そうとする。……そして、東京へ戻って来ると、僕は再びあの小さな箱のなかに振り落されているのだった。

僕はX大学の図書館の書庫のことは書いておきたい。この学校の夜間部の教師の口にありついた僕は餓じい体を鞭打ちながら、いつも小さな箱のなかから、ここへ出掛けて来る。ここでは焼け失せた空間と焼け残った空間が罅割れた観念のように僕の眼に映る。坂の石段を昇りつめたところにある図書館も赤煉瓦の六角塔は崩れ墜ちて、鉄筋の残骸ばかりが見えている。僕は昔、あの赤煉瓦の塔を見上げたとき、その上にある青空が磨きたての鏡のようにおもえたのを憶えているので、どこか僕のなかには磨きたての新鮮な空気がまだありそうな気もする。表の閲覧室の方は壊れたままだが、裏側にある書庫は無事に残っているのだ。僕はあるとき、入庫証をもらうと、はじめてその書庫のなかに這入ることが出来た。