후리가나로 읽는 일본 고전
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ゆめどのさつじんじけん
夢殿殺人事件
小栗 虫太郎
小栗 虫太郎의 夢殿殺人事件(ゆめどのさつじんじけん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 27,755자 · 55화면
恐らく、さぞや重心を無視した滑稽な歩き方をした事だろうがね。然し義足を外した推摩居士には、それが一番自然な状態なんだよ。そうすると、推摩居士の足は栄養が衰えていて、目立った羸痩を示しているのだから、当然、その部分の菱形を中心にして、三稜形をした骨端と、膝蓋骨の下端に当る部分とが合したもの――それが、てっきり孔雀の趾跡のように見えはしないだろうか。そして、礼盤から離れて行った跡が、恰度前方から孔雀が歩んで来た跡に符合したと云う訳なんだよ」
「ああ」検事は溜らなく汗を拭いて、「だが、どうして推摩居士は三階へ上って行ったんだ?」
法水は卓上の一書をパラパラとめくって、最後に指で押えた頁を検事に突き付けた。
「支倉君、君はヒステリー患者の五官のうちで、何が一番最後に残るか――、それが視覚だと云う事を知っているかね。また、その中でも赤色だけは、発作中でさえも微弱に残っているのだ。勿論、巫術術」]などでは、巧な扮飾を施して、それを恐ろしい鬼面に捏っち上げるのだが、現在僕の手に、それを証明する恰好な文献があるのだ。とにかく、その件りを読んでみよう。――(一九一六年十月、メッツ予備病院に於いてドユッセンドルフ驃騎兵聯隊附軍医ハンス・シュタムラアの報告)余の実験は、該患者に先登症状なる震顫を目撃せしに始まる。