후리가나로 읽는 일본 고전
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ほんやくちぎのせつ
大尉の娘
神西 清
神西 清의 大尉の娘(ほんやくちぎのせつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 10,030자 · 21화면
だがいくら馬鹿げているからと云って、ここに飜訳という仕事の免るべからざる原理がある以上、どんな飜訳にしろよかれ悪しかれ、この務めを果しているに違いない。そしてそこに色々な悲喜劇が演ぜられることも致し方ない。嘗てあるフランスの作家のものが某名家の訳で一世を風靡し、いわゆる新興芸術派の一部に浅ましい亜流を輩出したとき、わが畏友吉村鉄太郎がひそかに歎いたことがある、――「あの作家がもし原語で読まれていたのだったら、ああいう見っともない事にはならなかっただろう」と。これはなにも某名家の訳そのものを云為したのでも何でもない。世の飜訳というもののどうにもならぬ運命を、はかない皮肉に託して述べただけの話である。一場の譬話に過ぎないけれど、その曳く影は意外に深い。
飜訳遅疑の説の成りたつ足場は案外にがっしりしていて、実のところ手も足も出ない感じである。それはよく言われる「等量」の問題などの技術的条件の底の底に、儼然として鎮座している。もちろん僕はここで、時処を超え、人情を超え、世相を毛色を超えて、一あって二あるべからざる原物の異常な双生児として生を享ける――そういう達人の訳業について語るのではない。