일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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おおしまができるはなし

大島が出来る話

菊池 寛

菊池 寛의 大島が出来る話(おおしまができるはなし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 9,856자 · 20화면

아오조라 문고

譲吉は、此半年ばかり生活が順調である為に、殆ど物質上の助力を、夫人に仰いだ事はなかったが、譲吉は心の裡で、自分が疾病や災害で、生活の困難を来たす時、必ず夫人が援けて呉れる事を信じて居た。夫は譲吉に取って、実生活上の一つの強みであった。譲吉が近藤夫人に対する感謝のもう一つの中心は、夫人が譲吉に払って呉れた信頼であった。譲吉は、最初高商の秀才と云う振込みで、近藤家の世話になる事になったのだが、譲吉は秀才でないばかりか、可なり怠惰者に近い方であった。そして、毎年の学年試験には、漸く及第点を取る位であったが、夫人は何時迄も、譲吉を秀才だと考え、頼もしい青年だと思って居た。譲吉は夫人の死に依って生活の保証の一つを失ったと同時に、彼の第一の知己を失った訳であった。

が、譲吉はあまりに、利己的な涙ばかりを出して居た。夫人の死が、譲吉に及ぼした打撃ばかりに就いて泣いて居た。が、夫人の死に就て、譲吉よりももっと大きい打撃を受けた人がまだ沢山あった。夫は無論近藤氏一家の人々であった。家庭中心であった近藤氏の家庭では、夫人は一家の太陽であった。夫の近藤氏が、政党の首領として忙しい身体である為に、夫人は七人の子女から成る大きい家庭を、自分一人で支配せねばならなかった。