후리가나로 읽는 일본 고전
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おおしまができるはなし
大島が出来る話
菊池 寛
菊池 寛의 大島が出来る話(おおしまができるはなし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 9,856자 · 20화면
そして、手際よく結ばれた玉虫色のネクタイが、此の男の調った服装の中心を成して居た。吉川と云う方は、明石縮の単衣に、藍無地の絽の夏羽織を着て、白っぽい絽の袴を穿いて居た。二人とも、五分も隙のない身装である。夏羽織も着て居ない譲吉は、此の二人の調った服装から、可なり不快な圧迫を受けた。夫は、対手が人格的に、若しくは学問的に、また道徳的に、自分に優越して居る為に受くる圧迫とは、全く違って居る。考えて見れば下らない事かも知れなかった。が、夫にも拘わらず、その圧迫は、可なりに重苦しく、不快なものであった。岡村と吉川との、二人ばかりではなかった。その後から紹介された、十五六人の人々は、一人として、譲吉のような、見すぼらしい様子はして居なかった。
譲吉はその後、一週間ばかり、毎日自分の服装の不備に就いての、不快な意識を続けて居た。其の裡に漸く、譲吉の世話になって居る、近藤夫人の好意になる背広が、出来上ったのであった。
自分の家が貧しい為、何等の金銭上の補助を仰ぎ得ない譲吉に取っては、近藤夫人が何かにつけて唯一の頼りであった。譲吉が高等商業の予科に在学中、故郷に居る父が破産して危く廃学しようとした時、救い上げて呉れたのは、譲吉の同窓の友人であった近藤の父たる近藤氏であった。