후리가나로 읽는 일본 고전
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おおしまができるはなし
大島が出来る話
菊池 寛
菊池 寛의 大島が出来る話(おおしまができるはなし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 9,856자 · 20화면
その度に譲吉は、夫人から受くる恩恵に狎れて、純な感謝の念が、一回毎に、薄れて行かぬよう、絶えず自分の心を戒しめて居た。譲吉は、此日三十円を受けながら、卒業してからも尚、夫人を煩わして居ることを少しは情なく思ったが、夫人に頼らずには、実際何も出来なかった。が、夫人から、金銭の贈与を受ける事だけは、もう今度でおしまいにしたいと、心の裡で思った。
夫人の好意に依る、背広と三十円とは、譲吉が今迄感じて居た、不快な圧迫に対する、最上の対症薬であった。入社した二三週間目からは、譲吉も自分の服装に相当の自信を以て、快活に働いて居たのである。
その内に、譲吉の生活にも、僅かながら余裕が生じて来た。殊に、学校を出た翌年、近藤夫人の尽力で結婚して以来は、更に月々相当の余裕を生じた。夫人は、譲吉の為に相当の資産家の娘を世話して呉れたからである。
夫に連れて、譲吉の服装も段々調って来た。結婚の時に、近藤夫人は譲吉の為に、フロックコートを新調して呉れたし、その外にも譲吉は、四五着の背広やモーニングを持つようになった。和服も上等ではなかったが、時候に相当した物を、一二着宛調えて行く事が出来た。