후리가나로 읽는 일본 고전
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おおとりものせんにんつぼ
大捕物仙人壺
国枝 史郎
国枝 史郎의 大捕物仙人壺(おおとりものせんにんつぼ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 47,606자 · 97화면
「お客様? どなただな?」
「伊丹屋の娘だと仰有いまして、眼の醒るようなお美しい方が、駕籠でお見えでございます」
「ああそうか、通すがよい」
間もなく部屋へ現われたのは、盛装をしたお錦であった。
「お錦殿か、よく見えられたな」義哉は愛想よく声を掛けた。
「昨夜はお助け下されまして、お蔭をもちまして危難を遁がれ、何とお礼を申してよいやら」
お錦は手をついて辞儀をしたが、「お礼にあがりましてござります」
其処へ小間使いが現われて、頂戴物の披露をした。
「それはそれはご丁寧に。そんな心配には及ばなかったものを」義哉はかえって気の毒そうにした。
一人は美男の若侍、一人は妖艶な町娘、それに男は武士とは云っても、清元の名手で寧ろ芸人そうして女は其昔は女軽業の太夫である。それが春の日の閑静な部屋に、二人だけで向かい合っているのであった。
二人はしばらく黙っていた。蒸されるような沈黙であった。
「おおそうそう、杉の手箱をお預かりしてあったはず、お持ち帰りになられるかな」やがて義哉はこう云って、ものしずかに立ち上りかけた。
「ハイ」と云ったが、周章てて止め、「ご迷惑でないようでございましたら、その手箱はもう少々お預かりなされて下さいますよう」