후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 145,722자 · 286화면
「お放し」
それを振りもぎって、振向いて見ると、たったいま自分の首を締めた人が、そこに見えない。
「おや?」
後家さんは、慌てて、四辺を見廻したけれども、その姿は消えてしまっている。林の中にも、沼の岸にも、それらしいものが見えないから、
「おや、どこへおいでになった?」
後家さんが、狼狽ていた時、浅吉は透さず再びその袖を取って、
「お帰んなさいまし、わたしと一緒に帰れば生命に別条はございません」
「何をいってるんだよお前は。お前こそ、わたしにとっては気味が悪いよ」
といって、後家さんはせきこんで、林の中へ駈けて行こうとするのを、浅吉が後ろから必死の力で抱き止めて、
「お内儀さん、あなたは死神につかれています、死神に……」
男妾の浅吉の必死の力を、さしも大兵の後家さんが、とうとう突き飛ばしきれず、それに取押えられてしまいました。
ほどなく薯虫が蟻に引きずられて行くように、この大兵の後家さんが、男妾の浅吉に引っぱられて、沼の岸を逆に戻って行く姿が見えましたが、やがて鐙小屋の前へ来ると、断わりなしにその戸をあけて二人が中へ入りました。
小屋はかなりの広さに出来ていて、正面には神棚があって、御幣の切り目も正しくして新しい。