후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 145,722자 · 286화면
家ではまたナゼこういう病人を一人で手放して置くのだろうと、それを心もとなく思っていると、娘は恥かしそうに、
「もし……あなた、そこいらに茂太郎が見えましたら、お帰りにぜひおつれ下さいましな」
それでは、やっぱり連れがいたのか……そこへにわかに雲がまいて来ました。
日本寺の裏山はすなわち鋸山で、名にこそ高い鋸山も、標高といっては僅かに三百メートルを越えないのですから、そうにわかに雲を呼び、風を起すほどの山ではありません。しかし、このとき、にわかに雲がまいて来たのは、比較的、風が強かったせいでしょう。山も、木萱も、一時にざわめいてきました。
髪と着物の裾をこの風と雲とに存分に吹きなぶらせて、山を駈けおりる女は、羅漢様の首ばかりを後生大事に抱いて、
「いやな人……」
九
駒井甚三郎はその晩は日本寺へ泊り、翌る日は予定の通り船へ戻ると、船も予定の通りに館山へ向けて出帆したものですから、多分、無事に洲崎へ着いていることでしょう。
これよりさき、保田の町へ入り込んだ田山白雲は岡本兵部の家へおちつき、その夜は兵部の家の一間で、熱心に主人が秘蔵の仇十洲の回錦図巻を模写しておりました。