후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 159,272자 · 313화면
人の頭の上を、無闇に走り通ることの無作法ぐらいは米友も知ってはいるが、この際は、それを遠慮していられないほど急場の場合でありますからぜひがない。
遮二無二、自分は人の頭の上を飛び、道庵の身体をも人の頭なりに引きずって、米友は露地の暗い人通りの少ないところへ引きずり込んでしまいました。
それは米友流の極めて速かな早業を以て、一瞬の間に行われてしまったものですから、頭の上を通られた連中までが、
「あっ!」
と言ったきり、手出しのできないほどの早業でありました。不思議な音頭取りを不意にさらわれても、それを追いかける手段を忘れしめたほどの早業でありました。
道庵においても、遮二無二その腕を引張られても、人の頭の上を引きずり廻されても、痛いとも、痒いとも、言う暇のないほどの早業でありました。
その早業が完全に行われて、人の頭の上から――露地の人通りの少ない所から、ついに行方も知らず引張り込まれた後に至って、群衆が騒めき立ちました。
「ひとさらい……」
だが、もう遅い。
ついにその近きあたりのどこを探しても、それらしい人の影を見出すことができませんものでしたから、一時、お祭りは中止の姿で、その奇怪のひとさらいの噂で持切りであります。