후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 159,272자 · 313화면
今もまた、こうして畳の上へゴロリと横になっていると、夜来の疲れが多少廻って来たものと見えて、いつかうとうとと夢路に迷い入りました。
その時の夢に、米友は故郷の間の山を見ました。自分の身が久々で故郷の宇治山田から間の山を廻っているのを認めました。
久しぶりで、もう帰れないはずと思っていた故郷の土を踏んでみても、その土が温かではありません。相も変らず間の山は賑やかですけれども、その賑やかさが、少しも自分の身に応えて来ないのを不思議と思いました。周囲は花やかなのに、空気が冷たく自分の身に触れるのを、米友はじれてみました。
故郷の地ではあるのに――こうも冷たい空気が流れて、通るほどの人が、みんなつれない色を見せる。さすがの米友も、誰を呼びかけて、何をいおうとの心も失せ、参宮道の真中の榎の大樹の下に立つと、何かいい知れず悲しくなって、その大樹に身を寄せて面を蔽うているうちに、いつしか、しくしくと泣いている自分を発見しました。
「君ちゃんがいねえ……ムク、ムクの野郎もいねえ……ムクやい、ムクはいねえのかよう」
と米友は、声立てて呼んだけれども、手拭を後ろに流し、黄八丈の着物に、三味線を抱えたお君の姿も出て来ない。