후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 254,021자 · 495화면
「御免下さりませ」
と、宿の主人がやって来ました。
「はいはい」
と伊太夫がその方を向くと、
「さきほどの品をこれへ持参いたしました、篤とごらん下さりませ」
「それはそれは。では、とにかく、一晩お借り申して、ゆっくり……」
「どうぞ、ごゆるりと」
宿の主人が、自身でわざわざ持って来た、何か古錦襴切のような袋に包んだ、古色蒼然たる箱物を一つ、恭しく伊太夫の枕許へ持って来て、念入りに備えつけました。その物々しさを見ると、主人も相当にたしなみがあるらしい。してみると、これは何かしかるべき茶器の類の珍物だな、それをさいぜん、話のきっかけで当りをつけ、拝見したい、お見せ申しましょう、ということにでもなっての結果らしい。それは見るだけだか、見ての上で相当の取引が持出されるのだか、もう取引済みになっているのか、それまではわからないが、ともかくも、色と言い、形と言い、蒼然たるさびのついた古代切入りの箱物でありました。多分好きな道なのでしょう、こういった道中に於ても、伊太夫は、この品を、このままでは閑却しきれないと見えて、包みの結び目をといて、箱の蓋を払うと共に、眼鏡をかけて燈火の下近くさし寄りましたのです。