후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 254,021자 · 495화면
そうだとすれば面白いが、そうでないとしても只の鼠ではない。面を見知り、名を聞きとっておかなかったのが残念だ。それともう一つは鬼だ、鬼の正体だ、土間までたしかに拉し来っていたはずの鬼の正体。多分、それは生捕って来たらしいが、生捕らないまでも、半死半生にして引摺って来たものには相違ない。その正体を見届ける隙がなかったのが、いかにも残念だ。仏兵助という奴には、どっかでまた巡り逢えるかもしれないが、鬼の正体はそうどこでも見られるという代物ではない――それが心残りでたまらない。
七兵衛は、ただそれだけを残念千万に心得て、あとは悠々たる気持で、走り且つとまって、後ろを見返れば見返るほど、追手の火影と遠ざかるばかりです。
かくて七兵衛は、鬼の正体に心を残して走りましたけれども、古来、この辺の旅路で鬼の未解決に悩まされたものは、七兵衛一人に止まりませんでした。これより先、南渓子という人があって、その紀行文のうちに次の如く書きました。
「出羽の国、小佐川といふ処に至らんとする比は未申の刻も過ぎつらんと覚えて、山の色もいとくらく、殊にきのふよりしめやかに雨降りて、日影もさだかには知れず、先の宿までは又三里もあれば、とても日の内にはいたりがたからんや、されど雨中なれば思ひの外に時刻うつらぬこともやあらんと疑ひて、行逢ひける老夫