후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 254,021자 · 495화면
いま言う通り、唄の文句は全くわからないが、メロディを捉えることに於ては、この女に相当の教養があり、そのリズムに動かされると、心酔し易いことは、天才と言えなければ、病的なほどの鋭敏さを持っているのです。
女はもう、しんとして聴き惚れてしまいました。なにもかも忘れて、野卑で、下等で、醜悪な人間が奏でる、一種異様な異国情調の漂蕩に堪えられなくなってしまったと見えて、
「マドロスさん、何という曲だかわたしは全くわからないが、聞いていると泣けてしまってよ、泣かずにはいられなくなってよ」
と、その一曲が終った時、女は無性に涙を流しながら言いつづけました。
「何という唄だか知らないが、聞いているうちに、何とも言えない熱い情合いがうつって、たまらない。異国にも、やっぱり恋無情といったようなものがあるのね。日本の国と同じように、苦しい世間の中に、甘い恋路をたずねて、死ぬの生きるのともがいている、血色と肉附のよい若い男女が狂っているような、苦しい――けれども甘い、淋しい、哀しい世界が、まざまざと見え出して、わたし、たまらなくなってしまった」
仰向けに、だらしなく寝たまま、柄になく涙を無性に流しつづけて、女はこう言いました。