후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 254,021자 · 495화면
彼のたずね求めんとするところには、おのずから一定の目当てがある。そのとらえんとする殺気は、凝って一つの物影として存している。
その物影とは何物ぞ。よく問題になる例の暴女王、お銀様の放漫を戒めんために出動したのか。それもそうであって、必ずしもそうではない。お銀様は放逸に、山を出て来たもののようだが、彼女は米友から制馭さるべき地位にある女ではない。かえって、米友が統制を受くべきほどの略と権とを持った女だ。米友がたずね求めんとする殺気はそれではない。彼は、お銀様以前に、セント・エルモの火に送られて山を出た、その黒い覆面の怪物を抑えようとして下りて来たのです。彼をしてもうこれ以上に犬を斬らせまいとして、その慈悲心から、山を下って、そうして湖畔の町を、今日も、昨日の晩も、あさり歩いている。
江戸の本所の弥勒寺長屋に、同じ釜の飯を食って以来、いや、もっと早く言えば、甲府城下の如法闇夜の時以来、あの覆面の怪物の夜な夜なの出没の幻怪ぶりを満喫していること、この男の如きはない。自らもその幻怪の誘惑に堪えられなかったが、それがまぼろしの出没である間はよろしい。右の怪物が、じっとして立ち止まった時に、罪もない人間の血の幾斗幾升が、空しく地中に吸い込まれ、その肉体がうつろにされて、地上に累々たる酸鼻には堪えられたものでない。