후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 254,021자 · 495화면
なんにしても米友は、ただ単に、これを判じ物の観念をもって驚いているのではない。人間一人がここに斬られて死んでいるという現実の非常時に当面し、悲憤も、驚惑も、しているのですが、それにしても、こうなってみて、またいささか、手ごたえの変なところがないではない。第一、人が斬られている、殺されている! という先入観念からが、なんとなく拍子抜けになってきて、斬られているというが、血が流れていやしねえではないか。ことによると、こいつは行倒れだ、行燈背負いの日傭取りの貧乏人が、栄養不良のために、ついに路傍に行倒れにのめって、それっきりになってしまった、それではないか。
とにかく、面をあらためてくれよう、面を――どっちにしたって、気の毒なものに変りはないが、驚くなら驚くように、事をあらためた上で驚いた方がいい。
「おい、お前、こっちを向きな」
右に持っている杖を左に持替えて、そうして米友は、その行倒れの襟首をとって引卸して見ようと思って、その手ごたえに、我ながら度胆を抜かれた形で、
「おやおや――こいつぁ変だ、こいつぁ、こいつぁ、人間じゃねえや、おっと、人形だ、人形だ、人形が高札を背負って行倒れになってやがらあ!」