후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 30,484자 · 60화면
七
なるほど、そう気がついたのも道理で、この旅の者の物言いぶりがあまり際立ったので、誰も彼もが、晒しを見る眼をうつして、この、ひとり昂奮した旅の者の方へ集中させられるのですから、はっと気がついたのですが、それにしてもこの旅の者が、一方ならずテレたり、怖れたりする様子が変です。
あんまり自分の物言いぶりが過ぎたと感じ、彼はテレて、こっそりと口を押えたまま人混みに紛れようと試むるらしい時に、その後ろにいた千草の股引をはいて、菅笠をかぶり、腹掛をかけたのが、ちょっと後ろからすがるようにして、
「モシ」
と問いただしたものです。
「エ」
呼びかけられてみると、挨拶をしないわけにはゆかなかったが――挨拶というより寧ろ捨ぜりふで逃げ足と見えたのを、千草股引が、また食留めにでもかかるもののように押迫って、
「あんたはん、あの晒しの男は、この土地の百姓じゃあないとおっしゃいましたか」
「え、その、何ですよ――そうです、そうです、たしかに人違いなんですよ」
と言って、やっぱり振り切るように急ぎ足になるのを千草股引は、透かさず追いかけるようなこなしで、
「お手間は取らせませんが、そこでひとつ、お聞き申したいんですが、あんた様ぁ、あの者の身性をよく御存じなんですか」