후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 178,374자 · 345화면
全くこれは、この純良忠実なる処女を驚かすに充分なる申し出でありました。尋常の場合、当然の立場でいてさえ、女性として、この申し出に触れた時は人生の最高潮であって、これに動揺しない婦人は一人もあるべきはずでない。驚くなと言っても、驚かずにはいられないはずのものです。お松の心の激動と、その激動を持ちこたえるものごしは、駒井に正面から見下ろされてのがるる由がありません。生憎にも、木蔭を洩るる月の光が、また直下にこの処女に射向いて、絶体絶命の手づめを見せているのです。
こうなった時に、お松は、これこそ驚くべき勇気を以て、少しもたじろがずに駒井の面を見上げて、それに劣らぬ平静を以て答え得られたことが意外です。何か力あって、この女性を後ろから嗾けるもののように、
「承知いたしました、わたくしは、あなた様のお申出でを、このまま素直にお受入れ致します」
「うむ――」
と言って、駒井甚三郎が、その足を大地に踏みこたえるように立て直して、
「有難い――よく承知をしてくれました、今晩から、あなたは、わたしの妻です」
「かような、これより以上の大事はないお申出でを、そのまま、この場でお受けする気持になった、わたくしというものの我儘をおゆるし下さい、わたくしは自分で、もう自分のことがわかりませぬ、無条件で、なんでもかでもあなた様のお申出で