후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 178,374자 · 345화면
だが、こうなってみると、どちらも市が栄えたというもので、彼等は僅少の犠牲で原価を取戻し、こちらは少々の手わざ足芸でうまく要領を外したという取柄があるのであります。しかし献上隊の奴等は、今のあの小冠者のタンカがおかしかったり、その手練に舌を捲いたり、その口小言が絶えないのでありますが、なんにしても、銭を拾い集めるのが一仕事です。たとえ一枚でも天下の通宝を土に委してはならないという護惜も手つだって、草の根をわけ、石の塊りを起して、収拾にかかっているところへ、戞々と馬の蹄の音をひびかせてこの場へ通りかかったものがあります。
前のは、年の頃三十七八歳の威風ある偉丈夫、後ろのはまだ二十四五の一青年、二人ともに浪士ではなく、本格の、いずれかの藩の相当以上の利け者らしいのが、馬上で颯爽としてここへ現われて来ましたが、献上隊の一行が路傍草間に銭を拾っているのを見て、
「何だ、何をしているのだ」
「なに、天下の宝を路傍に拾っているのか」
「ほほう、銭が降ったと見えるな、近ごろはエエじゃないかで天下にお札が降っている、ここばかり銭が降ったか」
こんなことを言って、二人が英気凜々として過ぎ行く後ろ姿を見ると、二人ともに、黒のゴロウの羽織に菅の笠、いずれも丸に十の紋がついている。