후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 104,838자 · 204화면
何のためにあいつ、こんなことをしているのだ――それはわかっている! というのは、あのウスノロがこういうことをやり出すのは今に始まったことではない、あいつは本来がウスノロであって、ジゴマでもなければ、ギャングでもないのである。強盗殺人をしようの、詐欺横領をしようのというほどのたくらみはあいつには無いのだ。あいつが人を犯し、人から咎められることのかぎりは食と色との外に出ないのだ。食といったところで、あれのは、いよいよ飢えに迫って堪えられなくなったところに至って、初めてノコノコと人里へ出て来て、その当座の飢えを凌ぐだけのものをかっぱらって来る以上の仕事はできないのだ。それから色、すなわち性慾のことだって、あいつのは、なにも特に巧言令色に構えこんで、色魔だとか、誘惑だとかいう手段で行くのではない、眼の前へ異性の女の肉のかおりがうごめいて来る時に、ついついたまらなくなってかぶりつくまでのものだ。
今の事情が、またそれを証明させる。あいつ無闇に親船を駈落して来は来たものの、本来あの兵部の娘にしてからが、そんなに思慮の計算のあるやからではない、人の金を持ち出して、二十日余りに四十両の五十両のと使い果してから、この世の名残りとしゃれるようなしゃばっけも持ち合わせてはいない。