후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠10(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 285,635자 · 558화면
戸惑いをした瞬間には、ああ、これは少し深入りをし過ぎたな、との自省もひらめいたようでしたが、そこはキュラソーの勢いが、一層キュリオシチーのあと押しをして、忽ち左に道をえらび、とうとう主人の研究室と、寝室の方へと、無二無三に闖入してしまいました。
それにしても、無用心なことです。駒井のこの住居には、このごろ著しく室がふえているはずなのに――金椎ひとりを眠らせて置いて、みんなどこへ行ったのだろう。少なくとも、田山白雲が来ている以上には、清澄の茂太郎もいなければならぬ、茂太郎がいる以上は、岡本兵部の娘もいるかも知れない――そのほか、それに準じて館山の方からも、造船所方面からも、相当に人の出入りがあるべきはず。それを今日に限って、この異国の、マドロス風の、漂流人らしいウスノロ氏の闖入にまかせて、守護不入の研究室までも荒させようというのは、あまりといえば無用心に過ぎる。
しかし、実はこの無用心が当然で、こんな種類の闖入者があろうということは、想像だも及ばないこの地の住居のことだから、それは無用心を咎める方が無理だろう。
またしかし、ここは、料理場と違って、駒井甚三郎の研究しかけた事項には、断じて掻き廻させてはならないことがあるに相違ない。