후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠11(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 368,567자 · 720화면
といって池田良斎は、壁の一隅に立てかけてあった一管の笛に眼をとめました。
誰か湯治客がこの辺で竹を取って、湯治中の消閑に、手細工を試みたものでしょう。それを北原に取らせようと慫慂するのを、北原は首を左右に振って、
「いけません、物笑いですから、よしましょうよ」
と受けつけませんでした。本来、北原賢次は、あまり遠慮をしない男で、所望に応じては、ずいぶん臆面なく吹く方ですが、この時は、なにゆえか謙遜してしまいました。
「君にも似合わない」
と良斎から言われても、北原は、
「及びもつかないことです」
と打消しました。
「いやに、イジけてしまったね」
と追究されても、北原は意地を張らず、
「真打ちが出てしまったあとに、ヘボが、わがものがおに飛び出すほど、お笑い草はないでしょう。昔、観世太夫が……」
北原が、自分の笛を吹かない申しわけに、観世太夫へ尻を持って行くのは飛び離れている、と良斎が思いました。
「観世太夫が、ある時、客に伴われて、とある温泉に逗留したことがあったと思召せ、その隣室に謡好きがあって、朝夕やかましくてたまらないものだから、太夫が客に向って曰く、あの謡をやめさせてみましょうか、どうぞ頼む――そこで観世太夫が朗々として一曲を試むると、隣室の謡がパッタリと止まった、その日も、その翌日も、それより以来、隣室では謡の声が起ら