후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠11(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 368,567자 · 720화면
無限縹渺の路に寄する恋――といったようなところに誘われます。吹く人に心あってもなくても、楽と器とがそう出来ている。左様に人の心を誘うように出来ている。そこで、聞くほどの人が、甘い悩みと、重い魅惑を誘発されぬということはない。お前さんと一緒に行けば、死ぬことはわかっていても、殺されるよりほかに道はないと知りながらも、わたしゃお前さんを離れることができない――といったような恨みが、この一曲にこんがらかって、もつれて、取去ることはできないらしい。
本来、鈴慕の曲は、そうあってはならない。そうなければならないものであって、しかも、それで止まってはならないはずのものであるのに――
「女殺し――」と言ったのは、その悩みを殊に、どろどろに感得せしめられたからであろう。そうでなければ、自分が、それと同じような犯せる罪あって、人を殺す音と、人を活かす音を知り、殺す人、必ずしも活かす人ではないが、活かす人は、殺すことをも知っていなければならない。
芸術の魅力は毒である。有害であることを知り抜いて、芸術を弄する者は、その殺活の機に、表裏徹透しておらねばならぬはずなのに、殺すことを知って、活かすことを知らないもの、その危険は、その感化の及ぶところのすべてを、窒死せしむると共に、自分をも焼亡する。