후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠16(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 268,946자 · 520화면
五十四
胆吹の上平館の出丸では、道庵先生と、お雪ちゃんとが、たちまち打ちとけてしまいました。
道庵は、お雪ちゃんを前にして炉辺に坐り込むと、忽ち左の手を口のあたりへ持って行って、妙な手つきをして、とりあえず一杯やりたいのだが代物はないか、という意志表示をしました。
自分の身体から、この方の気が切れると、陸へ上ってお皿の水をこぼした河童同様になって、自滅するほかはないという説明をも附け加えると、お雪ちゃんが心得て、本館の方へ行って、不破の関守氏から一樽を頒ちもらって来て道庵に授けたものですから、そのよろこびといっては容易のものではありません。
すぐさまそれを燗にしてもらってちびりちびり試むると、その酒の芳醇なこと、こんなところへ来て、こんないい酒を恵まれようとは全く予想外のことでしたから、道庵の魂が頂天に飛びました。
それから、お雪ちゃんという子のこの好意が、ばかに身にしみて嬉しくなると共に、話をすると、頭がよくて理解があり、それに知識慾もあって、相当の受けこたえができる。それに人のもてなしに愛想があって、親切を極めるものですから、道庵が重ねて嬉しくなって、この娘さんのためには、また自分の好意を傾けて、相手になってやらなければならないと考えつつ、しきりに盃と会話とを進めています。