후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠16(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 268,946자 · 520화면
かくてお銀様は一人、宵の胆吹の裾野を西に向って行く。西の空に新月が現われるのを認めます。琵琶湖の対岸の山々、雪は白し比良ヶ岳の一角から、法燈の明るい比叡の山あたりの連脈と見ておけばよろしい、その上の空へ繊々たる新月がかかりました。西へ向って行く限り、眼が明らかである限り、前途の山川草木の大観をすべて犠牲にしても、この新月一つを見ないで進むというわけにはゆきはすまい。お銀様は当然、新月の光をその額に受けつつ、西へ向って、そぞろに歩み行くのであります。
およそ月を愛する人で、新月を愛さないものはありますまい。名は新月というけれども、実は新月ではないのです。月の齢を数える場合には、満月を処女として、それから逆算して、いわゆる「新月」をたけたりとしなければなりません。女で言えば、満月にむしろ娘としての花やかさがあって、新月に凄い年増の美がある。さればこそ里の子供らも満月を見ると思わずそれに呼びかけて、
お月様いくつ
十三七つ
まだ年は若いな――
と、満腔の若やかな親しみを寄せるけれども、新月を見て、そういう親しみを持ち得る子供はない。新月を見ることを愛するものは、やはり年増の味を愛することを知る人でなければならない。