후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠16(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 268,946자 · 520화면
こういったような話し合いで、若い番頭を主人のともをさせて、信州路への旅へ送り出しました。
信州へ出かけてからの商売も順調に行き、儲けも相当にあって、主従は早くも故郷の甲州へ向けて快く帰路についたのですが、その途中、ある山の中で、烈しい夕立に遭ったのが運の尽きでした。やっと道端の、ささやかな山小屋の中へ主従が逃げ込んで雨宿りをしたのです。まもなく霽れることと思っていた雨も、意外に長降りをしている間に、旅の疲れで主人の方は旅装のまま、その山小屋の中で、つい、ぐっすりと寝込んでしまいました。商売の方がうまく行った安心と、旅の疲れとで、番頭がちょっと起しても起きられないほど、熟睡に落ちていたのです。
あんまりよく眠っているところを見ているうちに、若い番頭の胸の中にむらむらと、出立間際のお内儀さんの甘い言葉と、そのたっぷりした年増肌とが現われて来ました。
「そうだ、この旦那さえなければ、あの旦那の身上そっくりと、それから、わたしに心を持っていて下さる、あのたっぷりしたお内儀さんも、わたしのものになるにきまっている。うむ、そうだそうだ、自分も使われる人でなくなって、あの身上も、商売も、自由に切り廻す主人となれるのだ。