후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠16(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 268,946자 · 520화면
たけれども、それらしい人の影が認められませんでした。それにも拘らず、大鷲の物狂わしさはいよいよ一層でありました。
単に獲物を覘うならば、あんなに騒ぐはずはない、猛禽の中の王ともあるべき身が、兎や小鳥をあさるのに、あんなに仰々しい振舞をするはずはないと、お雪ちゃんは案ぜられてきました。
地上を探しあぐねたように、この猛禽は、今度は一文字に羽をのして、弥高から春照の方の人里へ向けて飛び狂って行くようでしたが、そのうちに姿が見えなくなったのは、遠く雲際に飛び去ったわけではなく、近く胆吹の山中へ舞い戻ったわけでもなく、どこをどこと見定めたわけではないが、お雪ちゃんの眼には、たしかにあの人里の中へ大鷲が飛び下りてしまったと思わずにはおられません。
そうだとすれば、あの勢いで村里へ舞い下りたとすれば、村里一帯の不安が思いやられる!
一匹の狼、一頭の猪でさえ村が荒される、まして肉を裂くに足る鋭い爪と、血を吸うことに慣れたあの獰猛な嘴と、それから千里を走る翼を備えた、猛禽の王様に侵入されてはたまらない――何か、あの不安を村の人に知らしてやる術はないものか。
お雪ちゃんは、そんなことを考えながら、再び無事にあの猛禽が中空高く舞い上り、飛び戻って来ることを望んでいたが、どうしたものか、さっぱりその音沙汰がありません。