후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠19(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 319,771자 · 617화면
実のところ、伊太夫の怖れを成したのは、この前から度々隠見する、湖上湖岸の物騒なる空気の動揺が然あらしめたもので、これが伊太夫の心持をも少なからず動揺させてしまいました。湖南湖北を通じて、すさまじい百姓一揆勃発の気運が、今やハチ切れんばかりに胎動している、いや胎動ではない、もはや、宿々領々によっては爆発の暴動をあげてしまっている。それが伊太夫の心を常ならず不安にしました。
持てる人としての伊太夫は、他の何事にも驚かぬことの代りに、持たぬ者共の動静に神経が過敏となる。伊太夫はしかるべき家に生れてしかるべきように今日まで来ているから、あえて力を以て、暴圧と搾取とを、持たぬ者共に加えた覚えはないのだから、モッブの恨みを買うべき事情は少しも備えていないとは言いながら、持たぬ者共が動揺をはじめた時は、その波動が、いつどこにいようとも、誰人にも増して身にこたえるのは、持てる人の身にならなければわからない。
湖岸暴動の風聞を聞くにつけて、伊太夫はいやな気になって、それで急に、船よそおいをさせて、竹生島詣でを口実の水上避難という次第でありました。
二