일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠19

中里 介山

中里 介山의 大菩薩峠19(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 319,771자 · 617화면

아오조라 문고

四十三

ああ、はじまったな、よよと啜り泣き、わあ! と咽び泣き、ふたり相擁して泣く男女の二部合奏。

出端に聞いた合方がまた聞けるわい。陶然として酔うた竜之助は、それを興あることに聞きなして、その声のする方を注視していると、なるほど、真暗い中から、まぼろしが出て来た。

「出たな!」

そうして、うっすらと、弘仁ぶりの柱と長押が、十字架のように現われると見ると、ひらひらと蝶の舞うように、細いきゃしゃな手が、宙に浮いて来て、その柱を下の方から撫で上げる、と見る間に、柱は暗に吸いこまれるように消え失せて、白いしなやかな手首だけが、暗の空中に舞っている。それが、ひらひらとある程度まで上へ舞い上っては、また、右左の柱の方を、撫でさぐると、やがてまた、よよと泣く音、わあ! と絶望の泣落し、それが相ついで、何とも言えない悲哀の響きを伝えるが、竜之助は、この声ある毎にカラカラと笑いました。

途中も走って来た、かけつけ三杯にグッと茶碗酒を呷ったものですから、酔のまわりも異常に利いたのでしょう。その勢いがあればこそ、泣合せの合奏と、手のひらの芸の影絵を面白いことにながめられる。