후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠3(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 214,131자 · 423화면
「長者町の道庵さん?」
こう言って男女が山下の銀床という床屋へ入るのまで、お絹はちゃんと見届けてしまいました。
根岸の住居へ帰ってからお絹は、異様の嫉ましさで悩まされました。惚れてもいない男だが、ああなってみると、なんだか仕返しをしてやらなければ納まらなくなりました。
と言って、自分が男をこしらえて見せつけてやるほどのことではない。なんとかして、いったん自分の方に向いていた男の心を、もう一ぺん向き直させなければ女の面目が立たないように思いました。一緒に歩いていた女は、ありゃ女房だろうか妾だろうかと、よけいな詮索までしてみたくなりました。いったいあの男が、徳間の山の中で抛り放しにして置かれてあったのを助かって出て来たのが不思議、誰が助けて来たのだろう、ことによったら山の中へあの女が通りかかって介抱した、それからの腐れ縁じゃないか知らなどとも考えてみました。それはそれにしてもあの女……
「ああ、そうだ」
とうとう思い当ってお絹は小膝を丁と打ちました。あの女はたしか忠作のところへ金を借りに来たことのある女である。そうだそうだ、甲州へ旅興行に出る仕込みのためといって、五十両の融通を人を中に立てて借りて行ったのはあの女に違いない。