후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠3(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 214,131자 · 423화면
「そ、そ、そこで斬られた――」
鍋焼饂飩は、股慄しながら、やっとそれだけ言いました。斬られたとは言うけれど、斬られている様子はない。単に脅されたものか、或いは他の斬られたのを見て、自分が斬られたと思ったのか。小林は脇差の鯉口を切りながら、外の闇へ飛んで出ました。
「爺さん、しっかりしなくちゃいけねえ」
そのあとで米友が鍋焼饂飩の介抱に廻りました。
鍋焼饂飩は、やっと回復したけれども、まだ生きた空はありません。
「いったい、こりゃどうしたんだい」
と言って尋ねてみましたけれど、その返事がいっこう纏まりがありません。ただ、鍋焼饂飩をお客に喰わせていると、松の蔭から黒い人影が現われて、そのお客もひっくり返ったが自分も無暗にここへ逃げ込んだというだけの要領でありました。そのお客がどんな人であったか、またその物蔭から出た黒い人影が、どんな形であったか、そんなことはまるっきり要領を得ないから、米友は笑止がって鍋焼饂飩に力をつけてやり、お茶を飲ませたり、壊れた道具を片附けたりしてやりました。鍋焼饂飩は、まだ歯の根も合わないで、慄えながら始末をしているところへ、
「ああ、危ねえ、危ねえ」