후리가나로 읽는 일본 고전
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いきにんぎょう
天狗笑い
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 天狗笑い(いきにんぎょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 20,400자 · 44화면
ある日のこと、甚兵衛はいつものとおりに、その神社の前に跪いて、長い間お祈りをしました。そしてふと顔をあげてみますと、自分のすぐ眼の前に、真黒なものがつっ立っていました。甚兵衛はびっくりして、あっ! といったまま、腰を抜さんばかりになって、そこに倒れかかりました。するとその真黒なものが、からからと笑いました。甚兵衛は二度びっくりして、よくよく眺めますと、それは一匹の猿でした。
「甚兵衛さん、甚兵衛さん」と猿はいいました。
甚兵衛は口をあんぐり開いたまま、猿の顔を眺めていました。それを見て猿はまた笑いだしながら、いい続けました。
「甚兵衛さん、なにもびっくりなさることはありません。私はこの神社に長く住んでいる猿でありますが、人間のように口を利くこともできますし、どんなことでもできます。あなたが毎日熱心にお祈りなさるのを感心して、上手に人形を使うことを教えてあげたいと思って、ここにでてまいったのです。けれどもその前に、あなたに一つお頼みしたいことがありますが、聞いてくださいますか」
そういう猿の声がたいへんやさしいものですから、甚兵衛もようよう安心しました。