후리가나로 읽는 일본 고전
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きかいなはなし
奇怪な話
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 奇怪な話(きかいなはなし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 7,130자 · 14화면
私も彼も、よく酒を飲んだ。話は各方面に飛び移っていったが、酔ってくるに随って、彼は度々同じ問をくり返すのである――人体には、勿論汗腺や毛根を除いて、内部に通ずる穴が幾つあるか、知っていますかと。
身体に幾つ穴があるかなどということは、酔余の戯れに婦女子などに云いかける言葉で、ばかばかしくて、私はただ笑って答えなかったが、青年の問は度重るにつれて、次第に執拗になっていくので、問題の内容そのものよりも、その調子に私は心惹かれた。すると彼は、一体こんなに方々に穴をあけておいて、不安ではありませんか、というのである。
話をきいて見ると、彼は、不潔な空気や塵埃や黴菌などのことを云ってるのではなかった。正気と狂気とのことを云ってるのだった。
「正気と狂気とは、空中に、殊にこんな都会の中には、至るところに浮游しています。どれを吸いとって、どれを吐き出すかが、重大な問題です。」
そして彼は、一寸間違ったという経験を話しだした。
もうよほど以前のことで、俥がまだ方々にあった時のこと、彼は少し熱があったので、俥にのって医者に出かけた。晴れてるが風の強い日だった。日にてらされたなま温い空気にのって、風がさーっさーっと吹いている。