일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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きだんクラブ〔せんごばん〕

奇談クラブ〔戦後版〕

野村 胡堂

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N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 13,161자 · 26화면

아오조라 문고

未亡人の美しい鈴子を中心に、森川森之助は遠縁でもあり故人の特別関係もあり、その席に加わったことは申す迄もなく、数ならぬ私も、夫人の詩友として、国府家の親しい一人として、特にその席に列ったのは有難いことでした。実際この事件に私が関係しなかったら、何ういうことになったか、今になって見れば考えただけでも恐ろしい事です。

その時の鈴子夫人の、喪服姿の気高い美しさを、今でも私は忘れることが出来ません。水のように静かな表情が、俄然として燃え上る火のように激発された変り目は、何に譬えたら宜しいでしょう。――いや私はこう自分の回想に溺れて話の順序を違えて、皆様を迷わせてはいけません。もう少し事務的に語りますから、お退屈でも暫く我慢を願います。

さて、国府金弥老人の資産というものは、悉くその発明の値打と、事業経営の才能からの収穫で、まことに堂々たるものでしたが、額にすると実に夥しいもので、私どもや世間の人の推定から見ると、恐らく三倍にも五倍にも上ったことでしょう。

この巨万の富を何う処分するか、これは直接関係のない人でも一応は好奇心をもやしたところです。が、佐瀬弁護士の手で遺言状が披露されると、それは誠に当然で、一向不思議でも何んでもないことでした。