일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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きだんクラブ〔せんごばん〕

奇談クラブ〔戦後版〕

野村 胡堂

野村 胡堂의 奇談クラブ〔戦後版〕(きだんクラブ〔せんごばん〕)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,033자 · 22화면

아오조라 문고

そのうちの一隻が時々浪に洗われて、今にも海へ流されそうになっているのを見ると、笠森仙太郎猛然として起ったのです。

近所にいる会社の給仕を二三人呼び集めて、それを水に引入れるのはなんでもありません。泳ぎにかけては、丹波丹六のなんとか流には及びませんが、オールを取っては学生時代から些かの自信があります。

給仕の中に心ききたる少年を一人乗せて、それに舵を任せ、笠森仙太郎のボートは、サッと怒濤の中へ漕ぎ出しました。

この時美奈子は遥か数段の沖に流されそれを助けようと藻掻く丹波丹六は、浪に隔てられて容易に近づく由もなく、そのうちに疲労と絶望のために、黄色い水着は時々浪間に呑まれて姿を失うのです。

この荒天にボートを出すのは、誰が見ても無謀そのものですが、なんという幸運でしょう。この時も偶然は笠森仙太郎に笑顔を向けて、二つ三つ続け様に来た大浪の後、泡立つ海は暫らく油のような静寂に還って、ボートは奇蹟の如く、なんの仔細もなく黄色の水着に近づいたのです。

波の中で、揉まれ揉まれて、最早半死半生ともいうべき美奈子は、案外手軽にボートに救い上げられ、帰りも何んの困難もなく、畳の上を滑るように、岸へ着くことが出来ました。