후리가나로 읽는 일본 고전
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ようば
妖婆
芥川 竜之介의 妖婆(ようば)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 37,473자 · 73화면
その時は気のせいか、額へ羽搏った蝶の形が、冷やかに澄んだ夕暮の空気を、烏ほどの大きさに切抜いたかと思いましたが、ぎょっとして思わず足を止めると、そのまますっと小さくなって、互にからみ合いながら、見る見る空の色に紛れてしまいました。重ね重ねの怪しい蝶の振舞に、新蔵もさすがに怯気がさして、悪く石河岸なぞへ行って立っていたら、身でも投げたくなりはしないかと、二の足を踏む気さえ起ったと云います。が、それだけまた心配なのは、今夜逢いに来るお敏の身の上ですから、新蔵はすぐに心をとり直すと、もう黄昏の人影が蝙蝠のようにちらほらする回向院前の往来を、側目もふらずまっすぐに、約束の場所へ駈けつけました。所が駈けつけるともう一度、御影の狛犬が並んでいる河岸の空からふわりと来て、青光りのする翅と翅とがもつれ合ったと思う間もなく、蝶は二羽とも風になぐれて、まだ薄明りの残っている電柱の根元で消えたそうです。
ですからその石河岸の前をぶらぶらして、お敏の来るのを待っている間も、新蔵は気が気じゃありません。麦藁帽子をかぶり直したり、袂へ忍ばせた時計を見たり、小一時間と云うものは、さっき店の帳場格子の後にいた時より、もっと苛立たしい思いをさせられました。