후리가나로 읽는 일본 고전
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つまのこと
妻のこと
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 妻のこと(つまのこと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 3,803자 · 8화면
ただ毎朝起きて、きちんきちんと勤めに出る根気がなかったのである。毎朝同じ時間に起きて同じ出勤をくりかえすことが、私という男には耐えられなかったのである。それからあとの職業転々も、理由はすべて、このなんでもないことにあった。小説家になって、やっと朝起きなくてもよくなり、毎日きまりきった勤めをしなくてすむことになったので、やっと助かったのである。
簡単にといいながら、つい長くなってしまった。だが職業転々の一々に及んでいては際限がないので、これにとどめるが、隆子はその転々に伴うあらゆる苦労をなめたのである。質屋通いはもちろんのこと、あすの米がなくても、友達を何人も居候に置いて威張っているような時期もあったし、又、あるときは、わずかの期間ではあったが、妻と、まだ赤ん坊の子供だけを大阪の父の家にあずけ、私は東京に帰って下宿生活をしているというような、つらい思いもさせた。又、小説家になってからも、自分の能力にあいそをつかし、できるならば廃業したいと、妻に下宿屋をやらせ、私は地方を放浪して廻っているようなこともあった。小さい下宿屋から、大きな下宿屋に移り、妻が下宿の主婦をつとめて、痩せ細っていた時期が四年以上もつづいたのである。