후리가나로 읽는 일본 고전
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あんごのしんにほんちり
安吾の新日本地理
坂口 安吾의 安吾の新日本地理(あんごのしんにほんちり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 19,350자 · 39화면
安直手軽なバラックで営業再開をもくろむのは人情で、市民の大半はゴウゴウと反対したが、彼は断々乎として命令をひるがえさなかった。
それが当り前というものだろう。こりることも知らねばならぬし、焼けた以上は焼けたことを利用し、善用するのが当り前の話さ。易きにつきたがるのは庶民の常だが、政治家はそれぐらいの人間性は知らねばならぬし、焼けた以上はこれを計画的に利用して理想の一ツでも行うのが当り前の話だ。
十年たッたッて鉄筋コンクリの熱海銀座ができるもんか、と市民がブウブウ怒っていたが、わずか一年後の今日、鉄筋コンクリの熱海銀座は既に完成に近づいているのである。
熱海市長のこの処置は当り前の処置なのである。戦争だろうと火事だろうと利用できるものは利用して、計画的により良い新作品を工夫するのが当り前じゃないか。けれども、この当り前のことが日本では珍しいのだ。通俗な庶民感情を押えて断行するだけの洞察力も信念もない政治家や市長が普通だ。彼らが庶民感情を抑えつけて強行断行することは、庶民の利益には反するが、自分の利益になることが主である。熱海市長が断行したのはそのアベコベのことである。