후리가나로 읽는 일본 고전
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あんごのしんにほんちり
安吾の新日本地理
坂口 安吾의 安吾の新日本地理(あんごのしんにほんちり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 19,350자 · 39화면
秋田犬保存会長はこういうお行儀のわるいスサノオノミコトではなかったのである。すべてに於てダンチであった。整然たるリンカクに於ても、色の白さに於ても、美しいヒゲに於ても、ヘルプ紳士の最優良種に属していたが、お行儀のよさ、気のやさしさ、物やわらかさ、すべてに申し分のないヘルプ紳士中のヘルプ紳士であった。難を云えば、いささか小柄の点だけだが、色あくまで白く、形あくまで整然たるヘルプ紳士としては、ヨーロッパの貴顕ほどの柄はなくとも、佐々木小次郎から武骨を取りのぞいた程度の柄はもたせたいものであった。もっとも、秋田犬と見くらべざるを得なかったせいで、実際以上に柄が小さく感じられたのかも知れない。
実に秋田犬と共存共栄して、己れの大を誇るということは難中の難事である。それに雪国というものは、どっちを見まわしても物のすべてがうら悲しく小さく見えて仕方のないものだ。秋田城主佐竹侯が何十万石の大々名だか知らないが、その城下町やお濠や城跡をどう見廻しても大名の大の字の片影すらも見ることができない。山々も田も畑もどことなくうら悲しいし、秋田市から大館まで三時間の汽車の旅に、どの駅もどの駅も、材木の山、杉丸太の山々である。